「カム」と、「シャフト」と呼ばれる棒が組み合わさったパーツである「カムシャフト」。ここでは、カムシャフトの鋳造方法や鋳造する際のポイント、依頼先メーカーの選び方について紹介します。
カムシャフトとは、しずく型の部品であり回転によって対象物を押し上げる働きをする「カム」と、「シャフト」と呼ばれる棒が組み合わさったパーツです。シャフトが回転することによって、カムが本来の役割を発揮するため、この2つを合わせてカムシャフトとされています。
また、カムシャフトにはカムの耐摩耗性だけでなく、金属組織への適合性、硬質度、寸法精度、加工性などの性能が求められます。
カムシャフトの鋳造方法の一例として、まずは「シェルモールド」という名の鋳型内のキャビティに対して、素材を高温で溶解させた「溶湯」と呼ばれる液体を注ぐことでパーツが成形されていきます。溶湯の成分であったり注湯時の温度であったりは、それぞれのカムシャフトによって異なるため、あらかじめ完成度の高い鋳造方案の設計が大切になるでしょう。
さらに、カムシャフトの製品に鋳造欠陥が生じるケースもゼロではありません。こうしたトラブルの発生をできる限り抑制するためには、注湯時のガスの巻き込みを減少させる必要があり、そのためには職人の優れた技量が求められます。
そのほか、カムシャフトの鋳造には砂型を用いた方法もあるため、チェックしてみてください。
シャフトカムには大きく分けて2つの種類があります。鋳造の際には、2つの違いについてもしっかり把握しておくようにしましょう。
シングルカムは「シングル・オーバー・ヘッドカム」を正式名称としており、1960年代以降に多くの車のパーツとして流行しました。しかし、1本のカムシャフトでパワー不足というデメリットを拭うことができず、現在はツインカムに主流を奪われています。
ツインカムは「ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト」を正式名称としており、カムシャフトが2つ独立して設置されているパーツです。ツインとなってバルブの数が増加したため、エンジンのパワー向上に貢献しています。2本のカムシャフトによって吸気効率も向上しており、非常に大きなパワーが実現。一方で、シングルカムに比べるとややコストが高めとなっています。
カムシャフトにはさまざまな種類があり、最適なタイプはケースバイケースで異なります。そのため、経験豊富なメーカーに相談をしておくと、間違いが起こりにくくなるでしょう。相談前には、メーカーがこれまでどのような実績を備えているか、しっかり確認するようにしてください。
選定基準:2021年10月時点にGoogleで「軽金属 鋳造」と検索したところ公式サイトが表示された100社を対象に調査し、そのうち、下記の各条件が確認できた1社を選定
※高品質:工場内に室温管理システム完備させていることを公式HPで明記している会社(https://www.metal-casting.jp/casting/casting/)
※大ロット:ダイカストマシンを11台保有し最大2,000個/月に対応を公式HPで明記している会社(http://hikari-light-metals.co.jp/html/koujosetsubi.html)
※超大型:2,000kg以上の鋳造実績を公式HPで明記している会社(https://www.tac-casting.com/business/products/#pro-auto)
※特殊素材:ベリリウム銅合金の鋳造および鍛造に対応と公式HPに明記している会社(https://www.feps.co.jp/tech/manufactur/melt.htm)