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重力金型鋳造

自由度が高く低コストな鋳造方法と言われる重力金型鋳造。ここでは、重力金型鋳造の特徴やメリット・デメリットについて紹介していきますので、参考にしてみてください。

重力金型鋳造の工程

重力金型鋳造とは

重力金型鋳造は、圧力をかけずに重力によって金型に溶融金属を注入する鋳造方法です。重力を利用することで、グラビティ鋳造と呼ばれることもあります。

圧力をかけない為、複雑な形状の製品も製作可能です。砂型鋳造やダイカストと比較すると、寸法精度や鋳肌精度は中間の位置となります。

重力金型鋳造に使用される鋳造機には幅広い種類があり、手動で金型を開閉するような簡単なものや油圧シリンダで金型を開閉するものもあります。

重力金型鋳造のメリット・デメリット

メリット

  • 溶融金属注入時に圧力をかけないため複雑な形状も可能
  • 静かに溶融金属を流し込むことで気密性が高くなる
  • 圧力を使用しない為、設備コストを抑えられる
  • 同じ金型を繰り返し使用できる

重力を利用した鋳造法には砂型鋳造法もありますが、こちらは1つの製品で1つの型を作らなければいけません。一方、重力金型鋳造は金型を数千~数万回繰り返し使用できるメリットがあります。

重力金型鋳造は、ダイカスト鋳造よりも低コストで複雑な形状に対応できるため、自由度が高い鋳造方法とされているのです。

デメリット

  • 湯流れの問題があり薄肉製品には向かない
  • 冷却に時間がかかる
  • 重力で自然に注入するため流速調整が難しい
  • 歩留まりが低い

重力金型鋳造は溶融金属を保持炉から金型へ供給する際に異なる経路で流れ込んだ溶融金属が混ざる、酸化物を巻き込むなどの問題が起こる可能性があります。

また、ゆっくりと注入することで冷却にも時間がかかり、サイクルタイムが長くなるのもデメリットです。

重力金型鋳造の製造工程

重力金型鋳造は、以下の工程で製造されます。

  1. ①鋳物用アルミニウム合金を溶解
  2. ②金型に流す
  3. ③金型から製品を取り出す
  4. ④切断・研磨・仕上げ

溶かした金属を金型に流すと、金型の方が400度以上低温となっているために金型に触れた瞬間冷却され固まります。

空気の巻き込みが少ない鋳造方法でありますが、砂型と異なり空気が外に抜けていかない為、ガス欠陥が生じる可能性はゼロではなく、注意が必要です。

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※特殊素材:ベリリウム銅合金の鋳造および鍛造に対応と公式HPに明記している会社(https://www.feps.co.jp/tech/manufactur/melt.htm