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鋳鋼鋳物

鋼の鋳造品である鋳鋼鋳物は、自動車や鉄道車両部品など様々な分野で用いられています。ここでは、鋳鋼鋳物の特性や種類について詳しく解説していきますので、参考にしてみてくさい。

鋳鋼鋳物の特性

鋳鋼鋳物は鋼の鋳造品であり、炭素含有量が2.11%未満の鉄炭素合金です。炭素鋼鋳鋼・合金鋼鋳鋼の2種類に分けられます。

鋳鉄と比較すると炭素含有量が少なく、溶融温度が高い、凝固時の体積の収縮も大きい特徴があります。鋳造時の技術は求められますが、加工性や総合性能、溶接性が高く複雑な形状や湾曲形状などに対応できるため、幅広く用いられています。

鋳鋼は耐食性や耐摩耗性、耐酸化性に優れた材料に加工しやすく、強度に優れているというメリットがあります。また、黒煙が晶出しないことで靭性にも優れています。設計の柔軟性が高いことも魅了です。

一方、鋳造が難しく技術力が必要であること、融点が高いため鋳物をつくるときに内部にひけ巣(空洞)が発生することがあるデメリットがあります。

鋳鋼鋳物の種類

炭素鋼鋳鋼

炭素鋼鋳鋼は焼なましや焼ならし処理をした上で使用されるものであり、炭素以外に以下を含んでいます。

  • ケイ素0.5%以下
  • マンガン0.8%以下

また、含有する炭素量によって以下のように分類されます。

  • 炭素量0.20%以下:低炭素鋼
  • 炭素量0.20%~0.50%:中炭素鋼
  • 炭素量0.50%以上:高炭素鋼

炭素の含有量が多くなればなるほど、強度が増し靭性が低下します。

低コストであり、電動機部品、鉄道車両のカップリング、発電所用機械部品などに使用されます。

合金鋼鋳鋼

合金鋼鋳鋼は炭素以外に以下のような元素を添加しています。

  • マンガン
  • クロム
  • モリブデン
  • ケイ素

合金鋼鋳鋼はこれらの元素を添加することで耐食性や耐熱性、耐摩耗性を向上させています。代表的な合金としては、ステンレス鋼鋳鋼が挙げられます。

合金鋼鋳鋼は歯車やキャタピラ、建設機械などの構造材にも用いられています。

また、合金鋼鋳鋼は添加元素の量によって更に以下の3つに分けることが出来ます。

  • 5%以下:低合金鋼
  • 5~10%:中合金鋼
  • 10%以上:高合金鋼

合金鋼鋳鋼は合金鋼の種類によって特徴が大きく異なります。また、炭素鋼と比較すると高価であるのも特徴です。

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