金型に溶融金属を低圧・低速で注入して鋳物を成形する低圧鋳造。ここでは、低圧鋳造の特徴やメリット・デメリット、製造方法について紹介していきますので、参考にしてみてください。
低圧鋳造は、溶融金属を低圧・低速で金型に注入して鋳物を成形する方法です。低圧・低速で注入することで気密性が高く、強度の高い製品を作ることが出来ます。
他の鋳造方法と比較して手間や時間がかかりますが、ピンホールや巣穴などの欠陥が起こりづらいのも特徴です。主に自動車部品の製造に用いられ、シリンダーヘッドやアルミホイールなどが製作されます。
低圧鋳造の1つ目のメリットは、高気密な鋳造が出来る点です。時間をかけて溶融金属を型に注入することで、高気密な鋳造となります。また、注ぎ口から遠いところから順番に凝固し、最後まで加圧を続けるのも高気密になる要素となります。ピンホールなどの欠陥が起こりづらいことで、安定した生産ができることもメリットになります。
2つ目のメリットは、歩留まりが高い点です。ガス圧で溶融金属を時間をかけて押し出すことにより、高い歩留まりが可能となっています。
3つ目のメリットは、複雑な形状の鋳造ができる点です。中子を用いて鋳造することで複雑な鋳物構造の制作が可能となっています。
低圧鋳造は時間がかかる製造方法となるため、時間効率が悪い点がデメリットとして挙げられます。また、溶融金属をゆっくり充填するため、金型温度が高くなり、冷却時間もかかってしまいます。短時間での大量生産には向いていません。
また、アルミ鋳造の際には型とアルミが反応しないよう塗型を必要とすることもデメリットになります。塗型は鋳造物のクオリティに直結するため、作業者の高い技術が求められること、手作業で制作する塗型はバラつきが出ることがあることもデメリットとなります。
低圧鋳造の製造は、4つのステップで行います。
まずは、低圧鋳造気に金型を設置します。その後、上部の金型をシリンダー圧で加工させて下部の金型と密着させます。
注入口から溶融金属を金型まで上昇させます。次に凝固するまで冷却させ、最後は専用工具で金型から製品を取り外して終了です。
取り外した製品は塗型を研磨して、製品を完成させます。
選定基準:2021年10月時点にGoogleで「軽金属 鋳造」と検索したところ公式サイトが表示された100社を対象に調査し、そのうち、下記の各条件が確認できた1社を選定
※高品質:工場内に室温管理システム完備させていることを公式HPで明記している会社(https://www.metal-casting.jp/casting/casting/)
※大ロット:ダイカストマシンを11台保有し最大2,000個/月に対応を公式HPで明記している会社(http://hikari-light-metals.co.jp/html/koujosetsubi.html)
※超大型:2,000kg以上の鋳造実績を公式HPで明記している会社(https://www.tac-casting.com/business/products/#pro-auto)
※特殊素材:ベリリウム銅合金の鋳造および鍛造に対応と公式HPに明記している会社(https://www.feps.co.jp/tech/manufactur/melt.htm)