「歯車装置」「減速機」とも呼ばれる「ギアボックス」。ここでは、ギアボックスの鋳造方法や鋳造する際のポイント、依頼先メーカーの選び方について紹介します。
ギアボックスとは「歯車装置」「減速機」とも呼ばれるパーツであり、動力の回転数を落としながら高いトルクを得たり、動力の回転数を増加させたりする働きを担っています。このギアボックスは、さまざまな産業分野にて活躍しており、自動車の変速装置に用いられていることも特徴です。
このギアボックスやそこに組み込まれるギアの製造については、多くの場合砂によって型をとる「砂型加工」が採用されています。砂型鋳造はコストが安価であり、小ロット生産にも適していると言えるでしょう。
また、ギアボックスの製作にはプレス加工が行われるケースも。プレス加工は複雑な形状にも対応できる加工方法であり、こちらも大量生産にも対応していることが強みと言えるでしょう。
ギアボックス製造の際、押さえておきたいポイントが「ギアポイントの種類」です。ここでは、主なギアボックスを5つ紹介します。
平行軸歯車減速機は、スパーギアを組み合わせたギアボックスです。減速比率によって組み合わせる歯車が異なることが特徴であり、適応モータ出力次第で減速機自体の寸法は変わっていきます。
基本は平行軸歯車減速機と変わらないものの、歯車にヘリカルギアが使用されていることがヘリカル減速機の特徴です。歯すじがねじられていることから、なめらかさと静粛性の高さが強みとなります。
ベベルギア減速機は、かさ歯車を組み合わせた構造を特徴とする減速機です。ベベルギア減速機の中にもいくつかの種類があり、減速比率が1:1である場合は「マイタギア」、かみ合い率を向上させたものは「スパイラルべベルギア」となります。
スパイラルべベルギアの動力伝達に滑りを加え、動力伝達の滑らかさを向上させたギアボックスが「ハイポイド減速機」です。歯数比が大きく、減速比率が大きくなることを特徴としています。
ウォーム減速機とは、ウォームギアとウォームホイールを組み合わせたギアボックスとなっており、1/10~1/60程度の大きな減速比率を得ることができます。昇降装置の落下防止などに利用可能なほか、バックラッシ抑制なども期待できるなど、メリットを多く備えています。一方で、熱を発生しやすいなどの特徴も見逃せません。
ギアボックスの製造には高い精度が求められるため、できる限り多くの実績を備えるメーカーを選ぶことが望ましいと言えるでしょう。実績については各社のホームページで確認が可能なため、まずはしっかりチェックをしてみてください。
選定基準:2021年10月時点にGoogleで「軽金属 鋳造」と検索したところ公式サイトが表示された100社を対象に調査し、そのうち、下記の各条件が確認できた1社を選定
※高品質:工場内に室温管理システム完備させていることを公式HPで明記している会社(https://www.metal-casting.jp/casting/casting/)
※大ロット:ダイカストマシンを11台保有し最大2,000個/月に対応を公式HPで明記している会社(http://hikari-light-metals.co.jp/html/koujosetsubi.html)
※超大型:2,000kg以上の鋳造実績を公式HPで明記している会社(https://www.tac-casting.com/business/products/#pro-auto)
※特殊素材:ベリリウム銅合金の鋳造および鍛造に対応と公式HPに明記している会社(https://www.feps.co.jp/tech/manufactur/melt.htm)