コンロッドの鋳造方法

エンジンのピストン部分と「クランクシャフト」をつなぎ合わせる役割を担う「コンロッド」。ここでは、コンロッドの鋳造方法や鋳造する際のポイント、依頼先メーカーの選び方について紹介します。

コンロッドの鋳造で
知っておきたい知識

コンロッドとは「コネクティングロッド」の略称であり、ピストン式エンジンのピストン部分と「クランクシャフト」をつなぎ合わせる役割を担ったパーツです。エンジンから生じるピストンの動きをクランクシャフトに正確に伝えることで、回転運動に変換する機能を備えています。

コンロッドの鋳造方法として、メインとなっているのは「重力鋳造」と「ダイキャスト」の2種類です。

重力鋳造

重力鋳造とは、その他の鋳造方法と異なり圧力を使用せず、重力のみを用いて溶解した素材を金型に流し込む方法です。利用するのは重力のみであることからこの名称となっており、「グラヴィティ鋳造」という呼び方もされています。

重力鋳造の特徴として、圧力をかけないために空気の巻き込みが少なく、高気密な成果物の実現が可能です。また、複雑な形状の製品作成にも適しています。ただし、生産力については従来の圧力を使用する鋳造法と比べて劣る点は否定できません。

ダイキャスト

ダイキャストとは、ダイキャストマシンに金型を取り付けたうえで、溶かした素材を高速・高圧によって流し込む方法です。短時間での充填が可能であり大量生産にも対応できるほか、複雑な形状であっても難なく対応できます。ただし、コストは決して安くはないため、小ロットでの生産に適しているとは言えません。

コンロッド鋳造の際のポイント

コンロッドの鋳造を実施する際、意識しておきたいのが材質です。コンロッドの材質には「クローム鋼」「クロームモリブデン鋼」「ニッケルクロームモリブデン鋼」「チタン合金」などがあり、それぞれ特徴は異なります。具体的にどのような特性を備えているかについては、事前に把握しておきましょう。

また、コンロッドのポイントとして、鋳造以外に熱間鍛造を用いても作成は可能です。熱間鍛造とは、熱した金属に対してハンマーやプレス機などで圧力をかけつつ成形する方法を指します。

コンロッド鋳造メーカーの選び方

コンロッドには複数の鋳造方法、素材があり、それぞれで得意とするメーカーは異なるでしょう。そのため、まずはどの方法でコンロッドを鋳造しようとしているのか、しっかり確認をしたうえで、その方法を得意とするメーカーに連絡をとるようにしてください。

「試作品」「大ロット」「超大型」「特殊素材」
用途から選ぶ軽金属の鋳造メーカー4選